九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-



九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-
九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 -City of Darkness-

商品カテゴリ:アート,建築,デザイン
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ついに読みました!

「一度入ったら出られない」「魔窟」「秘密結社の巣窟」といった都市伝説(特に日本で)で彩られたこの地区が実際どのような所だったのかがよく解ります。
 この本から感じられたのは、都市伝説のイメージとは違い、普通の人達が人並の生活や仕事をしていたということでした。あの建物群の異様さばかりを取り上げるマスコミや本がほとんどのの中、実際に住む人達の生活ぶりを主題に取り上げている所がこの本の魅力です。
九龍城ものの大大傑作

九龍城を被写体とした写真集を多く見かけるがその多くは廃墟としての九龍城であり破壊と荒廃のモチーフに彩られているが本作品は住人の生活の場としての九龍である。しかし、生活を被写体とすることによって九龍城の闇はますます深くなり混沌はリアルな精気を帯びてくる。住人は九龍城の部分であり九龍城の化身としての住人である。これはあの「クーロンズゲート」の実写版であり同ゲームのファンは必見の作品である。



奥深い魅力

九龍城砦に惹かれる人は多いだろう。そしてその魅力は、九龍城の持つ謎めいた雰囲気によるところも大きいと思う。しかしこの本は、伝説の魔窟の内部で営まれていた「普通の市民生活」の詳細な写真とレポートだ。写真作品としてなら、本書ではなく宮本隆司氏の「建築の黙示録」「九龍城砦」などを薦める。

本書のように、九龍城内部で営まれていたリアルな生活を描くことは、ともすれば謎めいた幻想を壊して魅力を半減してしまう可能性もあったと思う。しかしこの本を見て感じたのは、リアルな生活に光を当ててしまってもなお色褪せない、九龍城砦という空間のもつ魅力だった。

映像的・建築的好奇心から九龍城に興味を持った人(私自身そうだが)も、この本を手にして幻想の隙間を埋めてしまったとしても、決して興醒めになることはないだろう。九龍城に興味がある人に広く薦められると思う。
空間、におい、感情、野性

九龍城、小さい頃からドラマや映画などを通して名前がよく知っていた。だけど、その空間の中身はどのような状況なのか知らなかった。きっかけは、自分の先生が買った英語版の九龍城と断面図ばかり絵本の2冊だった。写真撮影や説明(内容)が非常に濃くて、読むほど手が離れられないくらい。

九龍城の写真を撮った人は現地人じゃなくて、外国人だった。「えっ?!」くらいびっくりした。現地人にとって既に当たり前のことなので、なかなか自分の住んでいる場所を取らないでしょう。第3者である外国人にとって、生まれ育った母国ではそのような空間を体験したことがなく、九龍城は一つ「宝」空間として探究していく。
暗い・汚い場所の写真撮影は殆どモノクロで行う場合が一般的だと考えられるが、このカラーの撮影では圧倒的に空間の魅力を示した。特に、その採光をうまく考えたじゃないか(もし自分ならどこから撮ればいいのか悩むね)。また、その写真や内容を通して、当時生活している住民の姿や空間のにおいを感じることができる。
そして、グレッグ・ジラードのメッセージでは、彼の反省点(解体前)「どうやって興味ないの人に示すか検討がなかった」。これも一つ勉強になり、これから、他人に興味を示すのに考えないと・・・


空間の興味より住人への情感

概ね、
九龍城や軍艦島を撮影しようと思うカメラマンは、
プロであれアマであれ、その空間にとめどない興味をそそられているのだと思う。
そして、その写真集を購入までする者も同じ興味を持つ共感者であるように思う。
故に、写真集は空間主体になりがちで、当然だが100%空間を網羅する事は理論上あり得ない。
たとえ映像でも無理なはず。
その場所に行かない限り、その"空間"を"得る"ことは不可能だということだ。
ただ、方法論を変えれば、
クーロンズゲートという名作ゲーム(マーケット的には駄作なのかも知れないが)がそうだったように、
想像力により"場所"を"味わう"ことは、ある程度演出で可能なのかも知れない。
勿論それは空間=身体体験として本物の情報ではないが、
この本は、写真集というよりむしろそれら情感に近い。
九龍城が生きていた当時の住民の写真と言葉が、在る生活感を持って目の前にカラーで展開される。
それは九龍城というリアルな想像力を得るための重要なファクターとして色褪せない。
空間主体の写真より現実味を帯びて、自分がその場所にいるという一瞬の錯覚を起こすのは素晴らしい。
とはいえ、
住民の部屋や店舗などの細部は他の写真集より優れ、
よく見るとミニマムは空間的にも相当充実している写真集だと分かる。
心地良い。



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